さて、ここ数回に渡り、人間関係の
ストレスについて書いています。
以下は確認なりますが、
人間関係においてストレスを感じる
ことは、ある意味仕方のないことで、
それを防ぐには、
ストレスになる前に、ストレスの原因
への対処法を身に付ける
必要があるとお伝えしてきました。
そして、その方法として有効な
3つのスキルが、
1.出来事を客観的に捉える力
2.自分の考えを伝えるための
アサーティブコミュニケーション
3.新たな視点をもつリフレーミング
でしたね。
今日はこの2つめの、
2.自分の考えを伝えるための
アサーティブコミュニケーション
について説明していきます。
「本当は気が進まないんだけど、
断るのも悪いしな…」
「そういうつもりで言ったんじゃ
ないんだけど、誤解された…」
「自分は違うと思うんだけど、
自分の考えや気持ちを言えない」
このような経験がありませんか?
あなたが、自分のことより相手を
優先にしてしまうタイプであったり、
また、上下関係において断っては
いけないと感じているタイプで
合った場合、
このようなことで悩んでしまうこと
もあるのではないでしょうか?
「アサーティブ」を直訳すると、
「自己主張すること」 という意味
になります。
なるほど。そうか!!
「やっぱり、人間関係のストレスを
抱えないためには、言いたいことを
ガツンと言ってやるべきなんだ」
という訳ではありません(笑)
アサーティブというのは、
ただ単に自分の意見を押し通すこと
ではなく、自分の意見や要求を、相手
の権利も守りながら対等に表現する
ことを意味します。
もう少し簡単に言うと、
自分も相手も大切にした
コミュニケーションスタイル
といった感じになります!
自己表現の仕方には、大きく
分けて3つのタイプがあります。
ここで質問です。
あなたは電車が来るのを駅の
ホームで待っています。
電車が到着しドアが開くと、
後から割り込んで電車の中に
入っていく人がいました。
このとき、あなたならどんな
対応をとりますか?
①内心ムッとしたが何も言わない
②怒りを感じて、割り込んだことに
対して怒鳴りつける
③自分が先に並んでいたことを伝え、
丁寧にかつはっきりと後ろに並ぶ
ように頼む
どうでしょう?
①に近い人は、
自分の気持ちや考えを表現せず、
また曖昧にした言い方をする
非主張的(ノン・アサーティブ)
タイプです。
自分の気持ちを押し殺していて、
自分を大切にできていません。
②に近い人は、
自分の考えや意見ははっきり言い、
自分の言い分を相手に押し付ける
攻撃的(アグレッシブ)タイプです。
こちらの場合は、自分の気持ちを
大切にはできていますが、相手の
言い分や考えを無視してしまう
可能性があります。
③に近い人は、
自分の意見を率直に正直に言う
アサーティブタイプです。
こちらは、相手を責める訳ではなく、
事実を伝え自分の気持ちも表現
しており、相手の立場も考慮した
伝え方となります。
アサーティブに伝えるには、
「事実」「感情」「要求」 を整理し、
順序だてて伝えることが重要です。
ひとつ例をもとにやってみましょう。
あなたは、今日中にやらなければ
ならない仕事に追われています。
そこに上司がやってきて、
「これ、今日中によろしく」
と新たな仕事が振られてしまった…
実際にありえそうなシチュエーションですね。
では、これを当てはめて考えてみます。
「事実」
・今日中にやならいといけないことが
山積み
「感情」
・今日中に対応するのは難しい
・手伝える状況だったらよかった
※ここで言う感情は気持ちのことを指し、
「いい加減にしろ!」などの感情的な
反応のことではありません。
「要求」
・他の人にお願いしたい
・期限の延ばしてもらいたい
そしてこれらをまとめると、
「申し訳ございません。
今日中にやらなくてはならない
業務が溜まっています。(事実)
本来ならばお手伝いしたかった
のですが、今日中に対応する
のは難しそうです。(感情)
期限を延ばしてもらえるようでし
たら対応できるのですが、難しい
ようでしたら他に対応できる人を
探してもいいですか?(要求)」
といった形になります。
いかがでしょう?
理屈ではわかっても、実行するのが
難しいというのが、コミュニケーション
の特徴でもあります。
仕事においては、それぞれの立場や
状況、考え方によってすれ違うことが
多くあります。
だからこそ、客観的に物事を捉え、
自分の意見を通すだけや、相手の
主張を受けるだけといった一方的な
コミュニケーションではなく、
お互いを大切にできる、双方にとって
プラスなコミュニケーションが取れる
ことが大切です。
そして、そのようなコミュニケーション
が取れることで、人間関係のストレス
が緩和し、良好な関係を築くことに
つながります。
いきなりチャレンジとはいかなくとも、
「事実」「感情」「要求」 を整理して
みることから始めてみてはいかがでしょうか?
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